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Forster Rohner(フォスター・ローナー)社のレース・エンブロイダリーの魅力
レースの歴史と種類
人類は紀元前より糸や布をさまざまな用途に利用してきました。歴史上で初めてレースを確認できるのは1540年ごろ。
- 服の傷んだ箇所を繕っていたものが発展した
- 織物の端を傷まないようにする「ふさ」の技術が発展した
- 魚を捕る際に使用するネットが発展した
などレースの起源には諸説あるようです。
起源はともあれ、ベルギーはフランドルのボビンレース、イタリアヴェネツィアのニードルポイントレース、フランスのアランソンやシャンティの機械レースなど、ヨーロッパの地域で独自に発展を遂げていくことになります。
特筆すべきは中世の手工業が盛んになった時代。
当時はレースの生産に多大な労力を要し、人、時間、なにより熟練した特別な技術が必要でした。このため非常に高価で、特に貴族が使用するものと位置付けられ「庶民はレースを使用してはいけない。」という暗黒時代もあったといわれています。
「糸を撚る、編む、生地に直接刺繍を施す。」こういった種々の作業をおこない、下の模様や色が透けて見える透かし模様を表したものがレースです。
綿ローン、オーガンディ、チュールに代表される薄く、透けている記事にモチーフなどの刺繍を施した立体感が大きな特徴。刺繍するのみで透かし模様がなくとも、透けている生地をベースにしているのであればレース、生地が透けていない場合は刺繍服地に分類されます。
しかし、生地が透けていない場合、生地の縁をスカラップ(ホタテ貝の貝殻)のように半円を連ねた波形に刺繍したものは、スカラップレースと例外的に呼ばれるようです。
また、ウールやアクリル混の比較的太い糸を使用し、暖かみと立体感を出したレースも存在し、秋〜冬に使用されるものにはこれがよく使われています。
現在、主流となっているレースの種類は大きく分けて以下の4つとされています。
- エンブロイダリーレース
- リバーレース
- ラッセルレース
- トーションレース
シェーンベルグでは、有名ブランドのオートクチュールドレスなどに使用される高品質なレースのみを取り扱う老舗、Forster Rohner(フォスター・ローナー)社のエンブロイダリーレースを取り扱っております。
エンブロイダリーレース 〜薄い布地に透かし模様の刺繍〜
エンブロイダリーレースは、生地自体にエンブロイダリーレース機を使用して刺繍加工をほどこしたものの総称です。
別名、刺繍レースとも呼ばれ、生地がそのまま残ったチュールレースや綿レース、生地が完全に溶けて刺繍糸だけが残ったケミカルレースなどがあります。それぞれの特徴は以下の通り。
チュールレース
チュール(ネット)地に刺繍をしたレース。レースの見た目の美しさは刺繍作業をどれだけ丁寧におこなったか、また刺繍糸の多さに比例するといわれています。
綿レース
綿生地に刺繍を施したレースです。エンブロイダリーレースの中でも基布に透け感のある綿を使ったものを指し、家庭洗濯ができるものが多く、衣服に使用されることが多いという特徴があります。
ケミカルレース
お湯の温度で溶けるビニロンを使用し、刺繍後に生地を溶解して刺繍糸のみを残す方法で作られたレース。かつて化学処理で生地を溶解していたため、ケミカルレースの名称で親しまれてきました。非常に細い糸による繊細なレース、太めの糸を使用した立体感のあるレースなど、幅広くケミカルレースで作ることができるでしょう。
100年以上の歴史を誇るForster Rohner(フォスター・ローナー)社
アメリカの第44代大統領バラク・オバマ氏の妻ミシェル・オバマ夫人が大統領就任式の際、Forster Rohner(フォスター・ローナー)社のウール・ギピュール刺繡を身に着けたことで一躍トレンドになりました。
Forster Rohner(フォスター・ローナー)社は1904年、スイスのザンクトガレンに設立された100年以上の歴史を持つ会社です。現在はスイスを中心に、中国やルーマニア、オーストリーなどの会社と合併し、パリコレに出展する有名ブランドのオートクチュールドレスやランジェリーなどに用いる品質の高いレースを多数手がけています。
創立時より受け継がれる品質の高さと商品に対する高い美意識は、国境を問わず多くの人々から愛されています。
最高級なレース・エンブロイダリーを生産する美しい工程
前工程として行われる「パンチング」
その美しさを生み出すのに欠かせないのは、職人の洗練された技術と刺繍に対する飽くなき探究心。100年以上刺繍と向き合ってきたForster Rohner(フォスター・ローナー)社はレースに対する想い、イメージを刺繍デザインへ落とし込むように具現化します。
刺繍の機械にかける前に行われる作業である「パンチング」。どのように針を運ぶべきなのか、表現したい刺繍柄ができあがるためにはどうすればいいのか…模様に込められる意味や伝えたいメッセージを想像し、古くからの技術を継承するかのようにひと針ずつ手で打ち込んでプログラムを作成していくのです。
PCで微調整する細かなこだわり
刺繍をする機械の大半はコンピューターで管理されており、デザインをプログラムすることにより、刺繍からカットまですべて自動で行われるような仕組みに作られています。PCに取り込まれたデザインは手動で微調整され、機械へとデータを送信します。
正確無比な機械による本生産
刺繍機に布地をはり、糸をセットして、本生産が始まります。
機械は思ったよりも速くない速度で、ゆっくりと丁寧に針を進めていきます。
それにより、やわらかな立体感のある刺繍柄ができ上がります。
刺繍機は、一度に緯方向に刺繍します。この刺繍機が2段になっていて、上下の生地に多くの針が同時に動いていく光景はまさに圧巻の一言に尽きるでしょう。
スイスの刺繍・レースは、基本的に機械で織られますが、多くの点で人知と手間が費やされています。 まず、生地が下から順に送られ、刺繍が施されていきます。打ち込み本数は従来のインテリアレースの10倍とも言われており、その分、1点の刺繍にかなり時間を要しますが、仕上がり時の厚みや高級感は他に類を見ません。
人間の手を使った丁寧な補修
刺繍が終わって、できあがりではありません。その後の検反でも職人の技が光ります。途中で糸が切れてしまったり、糸飛びしてしまった箇所がある場合は、ミシンを使った手作業で補修します。細部のカットも手作業。また万一、糸が切れたり絡まったりした場合は、機械が自動的に停止し、切れている部分のランプが点灯する仕組みになっています。その後の修復は係員によって行われます。
デザイン性、カラーの美しさは当然ですが、このように機械の工程に対しても、細部にわたり手間をかけ、神経を使いながら製品を仕上げているのです。これらの人知と手間によって高品質なレースが作り出されています。
美しい姿を保つための洗濯方法
洗濯機を利用する場合
レース・エンブロイダリーは緻密なデザインを施しているだけあり非常にデリケートな逸品です。そのため素材を傷めないよう最大限配慮する必要があるでしょう。洗剤ですがなるべく洗浄力は控えめなもの、オシャレ着用洗剤などが望ましいかもしれません。洗濯機に入れる際もなるべく繊細に取り扱ってください。サイズによっては洗濯ネットなどの使用も検討すべきです。
ご家庭それぞれの洗濯機によって洗濯の機能は異なりますが、もし可能であれば「おしゃれ着洗濯モード」「ドライモード」「手洗いモード」などで洗ってください。
この際、色移りのしやすい衣類などと一緒に選択することは絶対に避けましょう。レース・エンブロイダリーの計算された刺繍や色をそのままにしておきたい場合、面倒くさがらずに分類して洗うようにするべきです。
また、水気をなくすために急いでしまうことは避けましょう。繊維から無理に水気を取り除くと型崩れを引き起こしたまま乾いてしまいます。美しい姿に戻ることがなくなり、非常に残念な思いをされてしまうケースもしばしば。ですから、洗濯機の脱水、自動乾燥などの機能を選択せず、手で軽く絞ったあと、風通しのよい場所に干すようにしましょう。
手洗いをする場合
浴槽、洗面器、バケツなどにぬるま湯を張り、オシャレ着用洗剤などを直接塗布します。このままつけおきをするイメージでまずは汚れを浮かせてください。
その後、用意したぬるま湯の中に石鹸や洗剤を少量混入させ、柔らかくかつ優しく揉むように手洗いをしてください。強くすり合わせるようなことはなく、丁寧に全体的に押し洗いをしましょう。素材が傷んでしまい、洗ったところが伸び切ってしまう原因を排除すべきです。
最高級のレース・エンブロイダリーをシェーンベルグで
職人の技術が凝縮されたレース・エンブロイダリーを実際に手にすると、その美しさに思わず見惚れてしまうことでしょう。過剰に表現していることはなく、お手もとで見るとデザイン性の高さを実感していただけるかと思います。価格以上の感動体験を経験したい方はぜひシェーンベルグのレース・エンブロイダリーを。