カートに商品が入っていません
私たちの心と体の健康を保つうえで、「質の良い睡眠」は欠かせません。しかし、現代社会ではストレスや不規則な生活、スマートフォンの使用などが原因で、なかなか満足のいく睡眠を得られない人が増えています。
実は、ぐっすり眠るためには寝る前の習慣だけでなく、日中の食生活や運動習慣が深く関わっています。この記事では、睡眠の質を高めるために意識したい食事の工夫と効果的な運動の取り入れ方について解説します。
食事について
なぜ食事が睡眠に影響するのか?
食事は、私たちの体のエネルギー源であるだけでなく、ホルモンの分泌や神経伝達物質の働きにも影響を与えます。とくに睡眠において重要なのが「メラトニン」というホルモン。これは、私たちが自然に眠くなるように働きかける「睡眠ホルモン」と呼ばれています。
メラトニンは「セロトニン(幸せホルモン)」という神経伝達物質から作られますが、そのセロトニンの材料となるのが「トリプトファン」という必須アミノ酸です。つまり、トリプトファンを含む食材を日常的に摂取することで、睡眠の質を高めるサイクルが作られるのです。
睡眠の質を高める栄養素と食材
以下に、睡眠をサポートする代表的な栄養素と、それを多く含む食材を紹介します。
1. トリプトファン
主な働き: メラトニンの生成に必要。
多く含まれる食材
- 大豆製品(納豆、豆腐、味噌など)
- 牛乳、チーズ、ヨーグルト
- 卵
- バナナ
- 鶏むね肉、七面鳥
ポイント: トリプトファンは炭水化物と一緒に摂ると脳に運ばれやすくなるため、主食と組み合わせると効果的です。
2. ビタミンB6(水溶性ビタミンのひとつ)
主な働き: トリプトファンからセロトニンを作る過程を助ける。
多く含まれる食材
- マグロやカツオなどの魚類
- バナナ
- にんにく
- さつまいも
- 鶏肉
ポイント: タンパク質をしっかり摂っているのに眠りの質が悪い人は、ビタミンB6が不足している可能性があります。
3. マグネシウム(ミネラル)
主な働き: 神経の興奮を抑え、リラックス効果を高める。メラトニンの生成をサポート。
多く含まれる食材
- ほうれん草などの緑黄色野菜
- アーモンド、カシューナッツ
- 玄米
- 海藻類
- 納豆
ポイント: ストレスが多い人はマグネシウムの消費量が増えるため、意識的に補いたい栄養素です。
4. GABA(γ-アミノ酪酸)
主な働き: 脳をリラックスさせ、入眠をサポート。
多く含まれる食材
- 発芽玄米
- トマト
- カカオ(高カカオチョコレート)
- 漬物(発酵食品)
- お茶(とくに緑茶)
ポイント: GABAはサプリメントでも販売されていますが、自然な食材からの摂取が望ましいです。
寝る前に避けたい食習慣
睡眠の質を高めるには、良い栄養素を摂るだけでなく、「避けるべき食習慣」も意識することが重要です。
1. カフェインの摂取
コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレートなどに含まれるカフェインは覚醒作用があり、摂取から4~6時間は効果が続くといわれています。寝る前だけでなく、夕方以降のカフェイン摂取は控えましょう。
2. アルコール
アルコールを摂ると一時的に眠くなることがありますが、睡眠の後半に覚醒を促したり、深い睡眠(ノンレム睡眠)を妨げたりします。眠りが浅くなりやすいので注意が必要です。
3. 過剰な夜食や食べすぎ
寝る直前の食事は、消化にエネルギーが使われてしまい、体が休まらなくなります。睡眠前はなるべく軽めの食事にし、就寝2~3時間前には食事を終えておくのがベストです。
具体的な一日の食生活例(睡眠の質を高めるために)
朝食
- ごはん
- 味噌汁
- 焼き魚(鮭や鯖)
- 納豆
- 卵焼き
- バナナ
- ヨーグルト
朝にたんぱく質とトリプトファンを摂ることで、日中のセロトニン生成を促進し、夜のメラトニン分泌につながります。
昼食
- 玄米おにぎり
- 鶏むね肉のグリル
- 緑黄色野菜のサラダ(アボカド、ほうれん草など)
ビタミンB群とマグネシウムが含まれる食材を意識的に摂ることで、午後のエネルギーを持続させつつ、夜の眠りもサポートします。
夕食
- 野菜たっぷりのスープ(トマト、にんじん、ブロッコリーなど)
- 豆腐や納豆を使った副菜
- 雑穀ごはん
- 温かいお茶(カフェインレス)
夜は消化の良いものを中心に、リラックス作用のある成分を含んだ食材を選ぶと良いでしょう。
睡眠の質は「何を」「いつ」食べるかで変わる。「眠れない」「寝ても疲れが取れない」と感じるとき、多くの人はストレスや環境のせいにしがちです。しかし、毎日の食事も睡眠に大きな影響を与えています。特にトリプトファンやビタミンB6、マグネシウムなどの栄養素をバランスよく取り入れることで、体の内側から睡眠の質を整えることができます。日頃の食習慣を見直し、睡眠の質を高めることができるよう、毎食の献立を工夫してみてはいかがでしょうか。
運動について
実は、適度な運動を日常生活に取り入れることで、睡眠の質が大きく変わることが分かってきています。
運動が睡眠に与える影響
運動には、心身のストレスを軽減し、自律神経を整える効果があります。私たちの身体は、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)をバランスよく切り替えることで、健やかな状態を保っています。しかし、ストレスや過度な緊張が続くと、このバランスが崩れ、夜になっても交感神経が優位のままになり、寝つきが悪くなる原因になります。
運動は、日中に交感神経を適度に刺激し、夜に副交感神経が優位になる「自然な切り替え」を促す助けとなります。特に、有酸素運動は気分をリフレッシュし、体温やホルモン分泌のリズムを整えることで、入眠しやすい状態をつくります。
どんな運動が睡眠に効果的?
ポイントは「激しすぎないこと」と「継続できること」。おすすめは以下のような運動です。
ウォーキング:1日30分程度の早歩きが理想。朝や夕方の自然の中での散歩は、メンタル面にも好影響を与えます。
ストレッチやヨガ:就寝前に軽く身体をほぐすことで、緊張を和らげ、心地よい眠気を誘います。
軽いジョギングやサイクリング:運動強度は中程度を意識し、無理なく続けられる内容にしましょう。
なお、夜遅い時間の激しい運動は、交感神経を刺激しすぎてしまい、かえって眠れなくなる場合があります。理想的な運動時間は、就寝の3〜4時間前。夕方〜夜の早い時間帯を選ぶとよいでしょう。
米国睡眠財団(National Sleep Foundation)の調査では、定期的に運動を行っている人は、そうでない人に比べて寝つきがよく、深い睡眠時間が長くなる傾向があると報告されています。また、週に3回以上の中強度の有酸素運動を行ったグループは、睡眠の満足度が高いという研究もあります。
運動と睡眠の関係は、一夜にして劇的に改善するものではありません。重要なのは、「続けること」。無理なく、日常生活に組み込める運動を選ぶことで、自然と習慣化し、結果的に睡眠の質が向上していきます。
また、睡眠環境や生活リズムの見直しも併せて行うと、より効果が高まります。スマホの使用を控える、毎日同じ時間に寝起きする、寝室の照明や温度に気を配るなども快眠の重要なポイントです。
睡眠に悩んでいる人は、薬に頼る前に、まずは日常的な運動から始めてみる。
体を動かすことは、心身のバランスを整え、眠りの質を高める自然で健康的なアプローチです。無理せず、気持ちよく続けられる運動を見つけて、ぐっすり眠れる毎日を目指しましょう。
まとめ
質の良い睡眠は、健康な心と体を保つための土台です。毎日の食事や運動を少し見直すだけでも、睡眠の質は大きく変わります。無理のない範囲で生活習慣を整え、自分に合った快眠のスタイルを見つけていきましょう。
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