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睡眠不足による心身の弊害について

by schoenberg01 on October 23, 2025

昨今、睡眠の重要性について報じられることが多くなり、より質の高い睡眠が注目されるようになってきました。健康な生活を送るうえでも、十分な睡眠を確保した睡眠習慣を身につけることが大切です。
慢性的な睡眠不足や質の悪い睡眠を続けることは、心身に悪影響を与えることにもつながります。そこで今回は、睡眠不足がもたらす心身の弊害についてご紹介したいと思います。


睡眠不足が脳に及ぼす影響

脳機能の低下
睡眠不足の状態では、意欲、感情の制御、集中力、注意力、判断力に関わる脳の前頭葉がダメージを受け、脳活動が極端に低下することが報告されています。これにより、仕事や学習のパフォーマンスが低下し、やる気が起きにくくなります。

精神的な不調
睡眠不足は、うつ病や認知症のリスクを高めるだけでなく、精神的な余裕を失わせ、人間関係の悪化やレジリエンス(精神的回復力)の低下につながります。常に睡眠不足を感じていると、物忘れが増えたり、些細なことでイライラしやすくなったりすることがあります。


睡眠不足が社会に与える影響

経済損失
日本は睡眠不足大国であり、その経済損失は年間約15兆円にも上ると試算されています。睡眠不足による生産性の低下や事故のリスクの増加は、個人だけでなく社会全体に大きな影響を与えます。

睡眠負債
毎日のわずかな睡眠不足が借金のように積み重なることを「睡眠負債」と呼びます。これは生活習慣病やうつ病など、心身の不調として現れることがあり、自覚がないままに蓄積されていくことがあります。


対策と現状

適切な睡眠時間の確保
適切な睡眠時間は人によって異なりますが、一般的には7時間以上の睡眠が推奨されています。特に、成長期にある青少年は8〜10時間の睡眠が理想とされています。

日本の睡眠状況
厚生労働省の調査によると、日本人の約4割が6時間未満の睡眠しか取れておらず、5人に1人が睡眠の質に不満を感じています。年代別の傾向として、20代では就寝前のスマートフォン利用、30〜40代男性では仕事、30代女性では育児が睡眠不足の原因となることが多いです。
さらに国際比較では、日本人の平均睡眠時間は主要先進国の中でも最も短い水準にあり、デジタル機器の利用や長時間労働の文化が影響していると考えられます。


心への影響

認知機能の低下
・集中力や注意力が散漫になり、頭がぼーっとする、物事を覚えにくくなるなどの症状が出ます。
・IQが数ポイント低下するとも指摘されており、知能や思考力にも影響が出ます。

精神的な不安定さ
・自律神経のバランスが崩れ、イライラしやすくなったり、感情的になったりすることがあります。
・ストレスや不安を感じやすくなり、慢性的な不眠が続くと、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクを高めます。

情動の不安定化
・睡眠不足が続くと、うつ病患者に見られるような脳機能の変化が現れ、不安や抑うつ傾向が強まることが実験で示されています。


体への影響

身体の不調
・頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、吐き気などの症状が現れることがあります。
・体が慢性的に疲れやすく、回復しにくくなります。

免疫力の低下
・免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなるなど、病気への抵抗力が弱まります。

生活習慣病のリスク増加
・血糖値のコントロールが乱れて高血圧や糖尿病のリスクが高まります。
・代謝の悪化やホルモンバランスの乱れは肥満につながりやすくなります。

ホルモンバランスの乱れ
・甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの分泌が乱れ、体調に悪影響を及ぼします。


社会生活における影響

睡眠不足は、社会全体にも影響を及ぼします。

事故のリスク
眠気や注意力の低下は、交通事故や重大な産業事故の原因となることがあります。

労働生産性の低下
集中力や判断力の低下は仕事の効率を下げ、経済損失につながります。

対人関係の悪化
イライラなどが原因で、家族や同僚との関係が悪化する可能性があります。


睡眠不足解消の対策

規則正しい生活と日照
毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体のリズムが整い質の良い睡眠につながります。
また、朝起きたらすぐにカーテンを開けて朝日を浴びることでメラトニンの分泌が抑えられ、セロトニンが増加します。

適度な運動(就寝直前は避ける)
日中に適度な運動をすることは、リラックス効果やストレス軽減につながり、睡眠の質を高めます。

就寝前の食事・カフェイン・アルコール制限
・夕食は就寝3時間前までに終えましょう。
・カフェインは夕方以降控えましょう。
・寝酒は睡眠の質を下げ、不眠や依存のリスクを高めます。

就寝前のリラックス効果
・ぬるめのお湯に浸かる、照明を暗めにする、スマホの光を避けるなどが有効です。

快適な睡眠環境の整備
・寝具の硬さや枕の高さなど、自分の体格に合った寝具を選ぶことが快眠の第一歩です。


具体的な数値と事例

・4時間半ほどの睡眠しかとれなかった5日間で、うつ病患者に似た脳機能の変化がみられた研究結果があります。
・日本の調査では、多くの成人が「睡眠負債」を抱えている現状が示されています。


まとめ

睡眠不足を続けていると、生活の質が低下するだけでなく長期的な健康問題につながるため、十分な睡眠時間を確保することが重要です。
また、睡眠不足は現代社会の多くの人が抱える深刻な問題であり、単なる一時的な疲れではなく、心身の健康を脅かす「睡眠負債」として蓄積されます。

これらを避けるためには、長期的に安定した睡眠習慣を身につけることが不可欠です。
質の高い十分な睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを維持することが、朝のすっきりとした目覚めとともに今日一日を気持ちよく元気に過ごすための第一歩です。

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