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お酒と睡眠の関係について

by schoenberg01 on August 05, 2025

私たちの生活において、お酒は長い歴史と深い文化的背景を持つ嗜好品です。仕事の後のリラックスタイムや友人との交流の場、または特別な日の祝杯として、多くの人々が日常的にお酒を楽しんでいます。一方で、健康面の観点からはお酒の摂取量や飲み方には注意が必要であり、その中でも特に睡眠に与える影響は重要なテーマです。

睡眠は人間の健康や生活の質を保つために欠かせない生理現象です。良質な睡眠は心身の疲労回復、記憶の定着、免疫力の維持、そして精神の安定に寄与します。今回は、お酒を飲むことが睡眠にどのような影響を及ぼすのかについて詳しく見ていきましょう。

1. お酒が睡眠に及ぼす影響の基本

アルコールは中枢神経系に作用し、リラックス効果や鎮静効果をもたらします。このため、多くの人は「お酒を飲むと眠りやすくなる」と感じることが多いです。実際にアルコールには入眠を促進する作用があるため、寝つきが良くなることがあります。しかし、その効果は一時的なものであり、睡眠の質全体を改善するわけではありません。

アルコールを摂取すると、体内で分解される過程で血中アルコール濃度が変動します。この血中アルコール濃度の変動が睡眠構造に大きく影響し、結果として深い眠りやレム睡眠の質が低下することが知られています。

2. 睡眠の構造とアルコールの影響

まず、睡眠の構造について簡単に説明しましょう。睡眠は大きく分けて「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類に分類されます。ノンレム睡眠はさらに浅い段階から深い段階へと進み、深いノンレム睡眠(特にステージ3と4)は体の回復に重要です。一方、レム睡眠は夢を見る段階であり、脳の情報処理や記憶の整理に関わります。

アルコールは、摂取直後に入眠を助けるため浅いノンレム睡眠を促進しますが、その後血中アルコール濃度が下がる段階で深い睡眠やレム睡眠の割合が減少し、睡眠の質が損なわれます。特に、睡眠の後半にレム睡眠が減少すると、夢を見る時間が短くなるだけでなく、脳の休息や精神的な回復が妨げられ、翌日の疲労感や集中力低下の原因となります。

3. アルコールの分解と睡眠への影響のメカニズム

アルコールは主に肝臓で、酵素アルコールデヒドロゲナーゼによって分解され、アセトアルデヒド、さらに酢酸に変換されます。この分解速度は個人差が大きく、体質や年齢、性別によって異なります。一般的に、アルコールが体内に長く残るほど睡眠への悪影響は大きくなります。

アルコール分解時に発生するアセトアルデヒドは毒性が強く、これが原因で二日酔いの症状が出るだけでなく、睡眠中の身体のストレスとなります。また、アルコールの鎮静効果が切れるタイミングで交感神経が活性化され、目が覚めやすくなることもよくあります。これにより、途中覚醒や早朝覚醒が増加し、結果的に睡眠が断片化しやすくなります。

4. 適量と過剰摂取の違い

少量のお酒であれば入眠を促進し、リラックス効果もあるため「睡眠導入剤」のような役割を果たすこともあります。例えば、ワイングラス1杯程度のアルコール摂取は、ストレス緩和に寄与し、比較的質の良い眠りを得る場合もあります。

しかし、飲み過ぎると逆効果です。大量のアルコール摂取は睡眠の質を著しく悪化させ、慢性的に続くと不眠症や睡眠障害のリスクが高まります。特に、アルコール依存症の人では睡眠のリズムが崩れ、睡眠不足や日中の過度の眠気、認知機能障害などが現れることが多いです。

5. アルコールによる睡眠障害の種類

5-1. 中途覚醒の増加

アルコールが体内で分解される際に交感神経が刺激されるため、睡眠中に目が覚める回数が増えます。これにより睡眠の連続性が損なわれ、十分な休息が得られなくなります。

5-2. レム睡眠の減少

アルコールの影響でレム睡眠の割合が減少するため、夢を見る時間が減り、記憶の整理や情緒の安定が阻害されます。これは精神的な不調や認知機能の低下に繋がる可能性があります。

5-3. 睡眠時無呼吸症候群の悪化

お酒は筋肉を弛緩させる作用があり、気道が狭くなることで睡眠時無呼吸症候群を悪化させる場合があります。これはいびきの増加や酸素不足による中途覚醒を招き、睡眠の質を著しく下げる原因となります。

6. お酒を飲んだ翌日の睡眠の質低下と体調への影響

お酒を飲んだ翌日は、睡眠の質が悪かったことにより日中の疲労感や眠気、集中力の低下を感じることが多いです。また、二日酔いによる頭痛や吐き気も重なると、体調不良が顕著になります。このような状態が慢性的に続くと、仕事や学業、日常生活のパフォーマンスにも大きな悪影響を及ぼします。

7. 健康的なお酒の飲み方と睡眠の関係改善のポイント

7-1. 飲酒時間の工夫

寝る直前にお酒を飲むと睡眠の質が著しく低下するため、寝る2〜3時間前までには飲酒を終えることが望ましいです。

7-2. 飲酒量の調整

一般的な目安として、男性で1日あたりアルコール純量20g程度(ビール中瓶1本、ワイングラス1杯程度)が健康的な範囲とされています。

7-3. 水分補給

飲酒中や飲酒後に十分な水分を摂ることで、アルコールの分解を促し、脱水症状を防ぐことができます。

7-4. 規則正しい生活習慣

飲酒の有無にかかわらず、規則正しい睡眠時間の確保や就寝前のリラックス習慣を作ることで、睡眠の質向上に繋がります。

8. お酒の種類別に見る睡眠への影響

ビール

ビールは比較的アルコール度数が低く、リラックス効果は期待できますが、利尿作用や炭酸による不快感で中途覚醒のリスクがあります。

日本酒

適量であれば入眠を助けますが、アルコール度数が高いため飲みすぎには注意が必要です。

ワイン

ポリフェノールなどの健康成分も含まれていますが、酸味やタンニンで胃を刺激する可能性があります。

ウイスキー

入眠を助ける一方、度数が高いため睡眠の浅さや覚醒を引き起こしやすいです。

焼酎

糖質が少なく入眠を助ける効果が期待できますが、やはり適量を守ることが大切です。

9. まとめ

お酒は適量であればリラックス効果を通じて入眠を助ける一方で、過剰な飲酒や寝る直前の飲酒は睡眠の質を著しく低下させます。健康的な睡眠を保つためには、お酒の飲み方を工夫し、適切な量を守ることが重要です。また、睡眠障害の疑いがある場合は専門医に相談することも必要です。

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