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快眠と寝具:快眠に向けての寝具

by 中西恵美子 on November 09, 2021

1.快適な寝床内は温度33°C、湿度50%

敷ふとん

湿度をうまく調節することが快眠へのカギ

快適とされる寝床内は温度が33°C湿度50%といわれます。
ヒトは体温が36°C、皮膚表面温度は31.5°C程度ですから33°Cという温度は体温と均衡する温度で決して不快ではありません。

湿度を上手に循環させる機能に優れた寝具を選択。(天然素材が最高)

問題となるのは湿度で、33°Cの温度では湿度が上がると不快指数が増大します。特に最近は気密性・保温性が高い住宅が増えていますので、吸放湿性の良い素材を使って、湿度をうまく調節することが快眠につながります。

2.正しい寝姿勢と、体圧分散する敷ふとん

マットレス

敷ふとん(ベッド・マットレス)が睡眠の質を大きく左右します

ヒトの背骨はS字カーブを描いています。それを正しい姿勢で支えることが必要です。また、ただ単に硬くて背骨を正しく支えるだけでなく、体圧分散することで体全体を支えることが大切です。その意味からも敷ふとん(マットレス)の選択が眠りの質を大きく左右します。

3.まくらは敷ふとんと連携する。フィッテイングして選ぶこと

敷ふとんを決めてから、それに合わせてまくらを選ぶ

まくら選びは頸椎の高さと、気道の角度を合わせることにより決めますが、まくらと敷ふとんはお互いが連携しています。

順番が逆の人が多い

まず自分にあった敷ふとんを選び、その固さに合わせてまくらを決めることが重要。まくらや敷ふとんを選ぶときは、実際に触るだけでなく試し寝をして、ちょうど靴を選ぶようにフィッティングすることが大切です。

4.保温の決め手は掛ふとんのフィット性

重ねるのではなく、体の周りの空気を逃がさないようにする

断熱率の高い素材は空気、だから嵩のあるふとんほど保温性があります。ただ、実際に大切なことは体温で暖まった体の周りの空気をいかに逃がさないか、ということなので、いくら保温性の良い布団を使っても、体へのフィット性が悪いと真の保温は得られません。

毛布は羽毛ふとんの上?下?

あまり嵩高い布団を使うのではなく、ちょっと薄めのふとんを体にフィットさせて、軽い布団を重ねていくことをおすすめします。

5.入眠を誘う暖かくて上質な自然素材

吸湿性・保温性・肌触りに優れた自然素材だと入眠にやさしい

通常入眠時には深部体温を下げるために、手足などが温かくなりますが、手足が冷えたままだと熱放出がうまくいきません。入眠をスムーズにするためには、寝具には触感を含めた保温性の高い素材が望まれます。

1の条件から同時に吸放湿性にも優れていることが求められます。ウール・ダウン・シルクなどの上質な自然素材を使うのがおすすめです。

6.いびきや無呼吸症候群は横寝が有効

気道を確保するためには、横寝(側臥位)が有効です

いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠時に気道が狭くなることで発生します。ほおっておくと循環器系の障害を起こしやすくなるので、睡眠クリニック等での診察が必要です。

寝具においては、横寝(側臥位)をとることにより、気道が確保でき症状を緩和することができます。ただ、横寝を続けるためにはウッドスプリング等を使って、肩のでっぱりをやさしく受け止めて、体圧分散をうまく行いながら、抱き枕等で姿勢を保つ工夫が必要です。

7.敷ふとんは二枚敷が原則

せんべい布団には保温吸湿能力がありません

しばしば「せんべい布団は体に良い」という話しを聞きますが、せんべい布団が良いのは硬くて薄いので、背骨のカーブが崩れないという一点のみです。長く使ってへたったわたでは、本来の汗を吸収したり保温したりという能力や体の凹凸を支える弾力性はかなり劣ってしまいます。

体を支える堅めの敷きやマットレスの上に、吸湿保温、弾力性のある羊毛のような敷ふとんを重ねて使うのがベストです。

8.電気毛布は眠る前に切るべし

7.に関連して、せんべい布団1枚で寝ていて、冬寒いので電気毛布を使う方が意外に多いのですが、実は本末転倒。電気毛布は深部体温を下げないので、体が休まりません。

敷ふとんは二枚敷にして保温性を確保した上で、5.に関連しますが、入眠時までふとんを十分温めて、寝るときには切ることをおすすめします。


(滋賀医科大学睡眠学講座と滋賀大学教育学部がまとめた快眠のための睡眠、眠りのプロショップSawada製作快眠のための寝具選びを一部引用しております。)

そもそもふとんの役目とは?

布団の役割

毎日質の良い眠りを得るためにおふとんは健康を維持する重要な役割を果たします。人は睡眠中に代謝量の低下、発汗、寝返りという3つの生理的な現象があり、これらをサポートするよう、保温性・吸湿、透湿、放湿と言った湿度調整機能、寝返りを容易に行えるように掛ふとんの軽さやドレープ性、敷きふとんの支え感や反発力が重要となります。

このような生理現象(体温低下・発汗・寝返り)の変化に応じて寝床内気候をベストな状態(温度33度、湿度50%)に保てるようにするのが重要。

  • 掛ふとんには、保温性・吸湿性・透湿性・放湿性・フィット性・軽さ
  • 敷寝具には、保温性・吸湿性・透湿性・放湿性・支持性・硬さ
  • 枕には、吸湿性・放湿性・支持性

保温性は温めることではありません

電気毛布などは NG。
深部体温が下がらないので熟睡できず疲労感が残ります(ノンレム睡眠が得られない) コップ1杯の汗をかくと言われていますが、これは脳に休息を与え深い睡眠を導くと同時に、体温を下げる事で 睡眠中のエネルギー浪費を防ぐ生理現象です。

眠くなると手足が温かくなり、入眠後汗をたくさんかいて深部体温を下げます。
寝具には、この汗を素早く吸収し蒸れないように外へ逃がし寝床内をベストな状態に保つ機能が必要です。

寝返りについて

寝返りはレム睡眠前後に多く20-40回と言われていて、日中の筋肉の疲れをほぐしたり、睡眠中の一定の姿勢から起こる血行不良を治す働きがあります。この寝返りがスムーズにできる寝具でなければなりません。

少し硬めでしっかりと支えてくれる、硬すぎでもNG、人間の筋肉ほどの弾力、背筋が少し伸びた感じのするものがベター。
枕は敷の硬さに左右されるので、まずは敷選びから始めましょう。
適正な寝姿勢は自然体で直立した時と同じ状態です。

素材のキーワードは天然素材

重要なのは一番不快な湿気をどう処理してくれるのか

どれだけ技術がすすんでも、自然素材に勝るものはなく、その用途によって動物性・植物性を使い分けて行くのがよいでしょう。

暑くもなく、寒くもなく、蒸れないサラッとしていられるのは天然素材にしか出来ない神業です。

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