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朝起きたときに首や肩に違和感が残る場合、枕そのものよりも位置のズレが原因になっているケースは少なくありません。
枕は頭を乗せる道具ではなく、首のカーブを支えて寝姿勢を安定させる役割があります。
位置と高さを正しく整えることで、今使っている枕でも寝心地が改善する可能性があります。
本記事では、寝心地を改善するための、正しい枕の位置について解説します。
枕の使い方による適切な位置

枕の位置は寝姿勢によって変える必要があります。
頭の置き場だけを見るのではなく、首とマットレスのすき間がどう埋まっているかを基準に考えてみましょう。
以下では寝姿勢別に、首への負担が出にくい枕の位置について解説します。
仰向けの場合の枕の正しい位置
仰向けでは、首から後頭部までを連続して支える位置が適切です。
頭だけが枕に乗ると首が浮き、筋肉が緊張しやすくなるためです。
具体的には、枕の中央に頭を置き、枕の下端を肩口に軽く触れさせます。
首とマットレスの間にすき間がない状態が目安です。
仰向けでは肩まで深く乗せる必要はなく、首の支えを優先することが結果的に楽な姿勢になります。
横向きの場合の枕の正しい位置
横向きでは、首から背中のラインが床と平行に近づく位置が適切です。
頭が下がりすぎたり持ち上がりすぎたりすると、首が横に曲がってしまいます。
右向きの場合は枕の右端、左向きの場合は左端に頭を置き、枕の下端を肩口に当てます。
枕の中央で横向きになると寝返りの幅が足りず、無意識に体へ力が入りやすくなるので注意してください。
うつ伏せの場合の枕の正しい位置
うつ伏せでも枕は必要です。
体とマットレスの間にすき間ができると腰や首に負担がかかってしまいます。
具体的には、胸の一部まで枕に乗せ、枕を抱えるように配置します。
顔は横を向くため、高い枕は首をねじりやすくなります。
低めで柔らかい枕を使い、角度がつかない位置を意識してみましょう。
枕の理想的な高さについて

枕の位置を整えても違和感が残る場合、高さが合っていない可能性があります。
枕の高さは寝姿勢によって基準が変わり、同じ枕でも感じ方が異なります。
以下では、姿勢別に理想的な高さについて解説します。
仰向けの場合の適切な高さ
仰向けでは、首のカーブを自然に埋める高さが適切です。
枕が低すぎると首が浮き、高すぎると顎が引けて首に負担がかかるためです。
目安として、壁に背をつけて立ったときの首と壁のすき間に近い高さを作ります。
寝たときに首と枕の間に空間が残らない状態が、負担の少ない高さです。
横向きの場合の適切な高さ
横向きでは、肩の厚み分だけ高さが必要になります。
仰向けと同じ高さでは頭が下がり、首が横に折れるためです。
目安は、首と背中が一直線に近づく高さです。
仰向けで合う高さよりも数センチ高くなることが多く、沈み込みを含めて調整すると良いでしょう。
うつ伏せの場合の適切な高さ
うつ伏せでは、首に角度がつかない低さが適切です。
顔を横に向けた状態で高さがあると、首のねじれが強くなってしまいます。
仰向けより低めを目安にし、沈み込みで角度が逃げる素材を選ぶと負担が出にくくなります。
そのため、うつ伏せの場合は枕そのものの買い替えも検討してみてください。
高低差のある枕の場合は高い方が手前
高低差のある枕は、高い側を首側に配置するのが基本です。
首の自然なカーブを下から支える設計になっているためです。
具体的には、高い部分が首に当たり、低い部分に後頭部が収まることで、首が反らずに安定します。
向きを逆にすると首が押され、違和感やこりの原因になるため、形状に合った向きで使うようにしてください。
枕は肩まで乗せるのが正しい?
肩まで枕に乗せるかどうかは、枕の設計と寝姿勢によって変わります。
すべての枕が肩まで支える前提で作られているわけではありません。
仰向けでは肩口に触れる程度まで引き寄せると首のすき間が埋まりやすくなりますが、無理に肩全体を乗せる必要はありません。
重要なのは、首が支えられ、力が抜けている状態を作れるかどうかです。
枕の位置が合わない場合の対処法

朝起きたときに枕がずれている場合は、寝ている間に首や肩が楽な位置を探して体が動いている可能性があります。
枕の位置を固定しようとするより、今の寝姿勢で首とマットレスのすき間が埋まっているか、首に力が入っていないかを確認すると調整の方向が見えます。
以下では買い替え前に試せる、調整方法について解説していきます。
タオルで高さを調整
タオル調整は、合う高さの範囲を探すのに向いています。
枕が低い場合は枕の下に畳んだタオルを入れ、首と枕のすき間が減る方向へ少しずつ足します。
高い場合は頭側を下げるより、肩から背中側に薄く入れて角度を緩めると首の圧迫感が減りやすくなります。
ただし、タオルはずれやすいので、快適な高さの目安をつかむ用途として試してみてください。
首を支えるように枕をあてる
枕は、最初から正しい位置に置こうとせず、あとから首に合わせて動かします。そのための調整方法として、以下を試してみましょう。
- 仰向けになり、頭だけを枕に乗せた状態を作ります。(この時点では、首の下にすき間ができていて問題ありません)
- 頭を数センチだけ持ち上げます。
- そのまま両手で枕の下端をつかみ、首の下に入り込むように、ゆっくり肩口の方向へ引き寄せます。
頭を下ろしたとき、首とマットレスの間にすき間がなく、首から後頭部までが自然につながって支えられていれば適切です。
肩まで枕に乗せる必要はなく、首が楽に支えられているかを基準に位置を決めます。
枕の位置を合わせても寝心地が悪い原因

位置と高さを整えても違和感が残る場合は、枕以外の要因が重なっていることがあります。
寝心地の悪さは、枕が動くこと自体より、動かざるを得ない状態が続いていることが問題です。
「枕のへたり、表面の滑り、マットレスの沈み方」などを切り分けると、何を変えるべきかが明確になるでしょう。
以下では代表的な原因を3つに分けて整理します。
枕が合っていない
枕が合わないと、体は睡眠中に楽な姿勢を探して寝返りが増えやすくなります。
その結果として枕がずれ、起床時に首や肩の違和感が残りやすくなるのです。
購入直後は問題なくても、使ううちに中材がへたり、支える位置が変わることもあります。
位置を直しても首の張りが続く場合は、首を支える面の形や沈み込みが体型に合っているかを確認してみましょう。
枕や枕カバーの素材が合わない
枕やカバーの表面が滑りやすいと、寝返りのたびに枕が動きやすくなります。
髪への摩擦が減る点は利点ですが、位置が安定しないと首の支えが崩れてしまいます。
また、柔らかすぎる素材は沈み込みで高さが不足しやすく、硬すぎる素材は当たりが強くなりやすいです。
寝心地の変化が季節の寝具変更と同時期なら、素材の違いが影響している可能性があります。
枕とマットレスの相性が悪い
枕の高さは単体で決まらず、マットレスの硬さと沈み方で体の位置が変わります。
硬めのマットレスでは肩が沈みにくく、同じ枕でも低く感じて首のすき間が残りやすくなります。
柔らかめでは肩や背中が沈み、枕が高く感じて首が押されやすくなります。
寝返りがしにくい環境だと、肩や頭に余計な力が入り、枕がずれやすくなるため、枕とセットで寝具全体を見直すようにしましょう。
正しい位置が自分に合うとは限らない
一般的な位置合わせは首への負担を減らす目安になりますが、体型や首のカーブ、寝返りの癖によって快適さは変わります。
正しいとされる位置に合わせても、起きたら枕が大きくずれている場合は、その位置だと体が緊張し、無意識に逃げている可能性があります。
評価基準は、見た目の整い方より、首に力が入らず呼吸が楽で、朝の違和感が減っているかです。
数日単位で微調整し、体の反応で決めましょう。
位置だけではなく枕そのものも見直してみましょう

調整をしても改善が小さい場合は、枕の設計が体に合っていない可能性があります。
枕は位置を整えるための道具なので、枕のサイズや高さ、形が合わないと、どれだけ当て方を工夫しても安定しにくくなります。
購入前に一度、仰向けと横向きの両方で違和感が出る場所を整理し、その原因がサイズ不足なのか、高さなのか、当たり方なのかを切り分け、選び直してみましょう。
サイズ
サイズは寝返りのしやすさに直結します。
枕が小さいと、頭が落ちないように無意識に動きを抑え、首や肩に力が入りやすくなります。
仰向けの場合は、枕の中央に頭を置いた状態から左右に寝返りをしても、頭が枕の範囲に収まる幅があるかを確認してください。
横向きが多い人は端で寝ても余裕が残る横幅があると安定します。
長さも含め、寝返りの途中で外れにくいかを基準に選びましょう。
高さ
高さは寝姿勢と沈み込みで決まります。
仰向けでは首のすき間が残らず、顎が上がりすぎない高さが合いやすいです。
横向きでは肩の厚みを埋め、首が横に折れない高さが必要になります。
購入前はタオル調整で快適な範囲を把握し、その範囲に収まる枕を選ぶと失敗しにくいです。
マットレスが硬めならやや高め、柔らかめなら低めに感じやすい点も合わせて考えるとより良い枕を選べます。
形
形は首の当たり方と頭の収まり方を左右します。以下は、枕の形ごとの特徴です。
- 標準的な長方形:寝返りがしやすい反面、首が浮きやすい
- 波型やくぼみ型:首や後頭部を支えやすい一方、合わないと圧迫感が出る
- うつ伏せが多い場合:中央が低い形や薄い形が負担を減らしやすい
どの形が合うかは、痛みが出る場所と一致しやすいので、首のどこが張るかを基準に選ぶと判断しやすくなります。
寝姿勢のフィット感
枕は普段の寝姿勢に合わせて選ぶと安定しやすくなります。
仰向け中心なら首のカーブを支える感覚が重要で、横向き中心なら肩の厚みを埋めて首が水平に近づく感覚が優先になります。
うつ伏せが癖の場合は、首のねじれが強くなりやすいので、抱き枕などで半うつ伏せから横向きへ移行すると負担が減りやすいです。
どの姿勢でも共通する基準は、首に力が入らず寝返りが自然にできることです。
「枕の位置が合わない・首や肩が痛い」という場合は
どうしても枕の位置が合わず、首や肩に痛みが出るのであれば、枕そのものを見直してみてください。
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今回の記事を参考にしつつ、それでも寝心地が改善しない場合は、ぜひシェーンベルグの枕をお試しください。

