カートに商品が入っていません
温暖化や環境破壊が深刻化するにつれ、環境問題を気にかける人が年々増えています。ところで、ヨーロッパの国々と比べると、日本の環境基準は低い傾向にあることをご存じでしょうか。
ここでは、ヨーロッパの環境規制について知りたい人に向け、繊維製品の有害物質規制について解説します。ヨーロッパにおける環境問題への取り組みや、繊維製品の安全性を示す「エコテックス認証」に付いても紹介します。
各国の繊維製品への有害物質規制基準
多くの日本製品は、高品質・高機能であると世界から賞賛されています。しかし、有害物質に関する法規制を見ると、日本よりもっと厳しい規制を敷いている国はたくさんあります。
たとえば、日本とヨーロッパの「繊維製品への有害物質規制基準」を比較してみましょう。
規制には、全面規制と部分規制があります。日本で全面規制とされている物質はホルムアルデヒド・特定芳香族アミンです。部分規制とされている物質は、残留農薬と有機スズ化学物です。
ヨーロッパでは、特定芳香族アミン・重金属(溶出)・フタレート(可塑剤)が全面規制の対象とされています。また、部分規制とされている物質は、ホルムアルデヒド・重金属(含有)・残留農薬・フェノール類・有機スズ化合物・塩化ベンゼン・トルエンです。このように、ヨーロッパは、日本よりも規制対象が広めと言えます。
サステナブルな取り組みを重視するヨーロッパでは、自身のみならず、生産者や環境にとっても安心・安全な製品の提供を求めています。
※参考:スタンダード 100世界トップレベルの安全な繊維製品の証│ニッセンケン品質評価センター
【繊維製品の安全性を示す指標】エコテックスとは?
環境や人を守るために、数多くの認証が定められています。ここでは、繊維製品の安全性を示す指標である、エコテックス認証について考えてみましょう。
エコテックスは、1992年に発足した国際団体であり、欧州 に17機関、日本 に1機関(ニッセンケン)の認証機関を有します。エコテックスは、世界に通用する繊維製品の安全基準です。エコテックスの認証を受けるためには、日本の規制よりもはるかに厳しい基準をクリアしなければなりません。
6種類のエコテックス認証
ヨーロッパでは、商品を購入する際にエコテックス認証が重視されます。以下では、エコテックスの公式サイトをもとに、6種類のエコテックス認証について解説します。
1.スタンダード100
エコテックススタンダード100は、繊維関連の製品が、世界最高水準の安全レベルにあることを証明します。スタンダード100では、商品の用途に応じて、安全性のレベルを4つにわけています。クラスⅠは赤ちゃんが触れることを前提としたレベルです。
- 対象範囲:あらゆる繊維製品や付属するパーツ、生産プロセスの一部
- 有効期限:1年間
2.エコパスポート
エコパスポートとは、繊維製品を作る際に使用される、染料や助剤をはじめとする化学薬剤に関する認証です。
- 対象範囲:染料、助剤、機能付与剤など
- 有効期限:1年間
※参考:エコパスポート│日本公式サイト
3.デトックストゥゼロ
工場からの有害物質排出を世界レベルでゼロにすることを目的とした取り組みです。デトックストゥゼロは、合格・不合格の判定を下すものではありません。デトックストゥゼロでは、繊維およびレザー産業のサプライチェーン全体を対象としています。
デトックストゥゼロの審査を受けると、排出されている化学物質の詳細情報と、環境保護に対するアドバイスを得られます。
※参考:Verification according to DETOX TO ZERO by OEKO-TEX®│公式サイト
4.メイドイングリーン
スタンダード100とステップ、両方の認証を得た製品について、メイドイングリーンのラベルが付与されます。メイドイングリーンラベルはQRコード形式であり、読み込むとすべての生産拠点をチェック可能です。ステップについては、のちほど詳しく紹介します。
- 対象範囲:繊維関連半完成品や最終的な製品
- 有効期限:1年間
5.レザースタンダード
牛や馬などのレザー製品の製造工程では、繊維の製造工程とは異なる薬品を使用します。レザースタンダードは、レザー製品に有害な薬品が含有されないことを証明します。
- 対象範囲:天然皮革・製造の途中段階の半完成品や最終的な皮革製品
- 有効期限:1年間
6.ステップ
ステップ(旧 スタンダード1000)は、生産現場のサステナブルさに関する認証です。ステップでは、環境にやさしい仕組みで生産がなされているかに加え、労働条件が健全であるかも評価されます。
- 対象範囲:繊維製品の生産・流通部門
- 有効期限:3年間
※参考:ステップ│日本公式サイト
ヨーロッパの配水設備
繊維の製造過程では軟水が必要です。環境先進国のヨーロッパでは、工場排水を自然に放出せずきれいな軟水をキープしています。
ヨーロッパの各生産工場は、社内に浄化設備を備えています。浄化した水は、いったんは特別に設えた土地に流され、下水にそのまま排出させません。つまり、「土」をフィルターとして、水をさらに浄化される仕組みが採用されているという訳です。また、有害な薬品の多くは、そもそも生産に使用されません。
日本人の環境に対する意識調査
公益財団法人旭硝子財団は、環境問題への危機意識および行動に関して、2021年に調査を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延を受け、国内では環境を守ろうという気持ちが強まっています。具体的には、食品ロス削減や省エネなど、日常生活を見直そうとする人が増加しました。
ただし、環境を意識するようになった人が増えても、国内の生産環境については、まだまだヨーロッパに見習うべき点が多いと言わざるを得ません。以下では、電源構成についてヨーロッパと日本を比較します。
ヨーロッパと日本の電源構成の比較
ヨーロッパと日本では、クリーンな電力の割合が大きく異なります。それぞれの電源構成を解説します。
ヨーロッパ(EU)の電源構成
ヨーロッパでは、再生エネルギーによる発電が盛んに実行されています。再生可能エネルギーとは、風力・太陽光・地熱・風力・地熱・バイオマスなど化石燃料に頼らない発電方法です。再生可能エネルギーは、温室効果ガスを発生させないためクリーンな電力といえます。
欧州統計局は、2020年のEU全体と各加盟国の最終エネルギー消費に占める、再生可能エネルギーの比率を公表しました。
EU全体では、再生可能エネルギーの割合が22.1%。前年2019年の19.9%を2.2ポイント上回りました。特に、ノルウェーでは60.1%、フィンランドでは43.8%と、再生可能エネルギーを積極的に活用しています。
※参考:EU overachieves 2020 renewable energy target │欧州統計局
日本の電源構成
経済産業省資源エネルギー庁のデータによると、2020年度のエネルギー供給は、化石燃料による火力発電が76.3%でした。一方、温室効果ガスを発生しない原子力発電の割合は3.9%、再生可能エネルギー発電の割合は、18.1%でした。
火力発電は、化石燃料を燃焼する際に温室効果ガスを排出しており、地球温暖化に影響を及ぼします。ヨーロッパの国々と比べると、日本では再生可能エネルギーの割合が少なめです。
※参考:集計結果又は推計結果(総合エネルギー統計)│経済産業省資源エネルギー庁
「人と地球にやさしい製品」を取り扱うシェーンベルグ
寝具メーカーのシェーンベルグでは、エコテックス認証を得た商品を多数取り扱っています。「人と自然の共存共栄」もテーマとして掲げ、商品開発と素材の探求に努めています。
寝具を選ぶ際には、吸湿・放湿性、保温性などを重視しましょう。シェーンベルグには、天然素材の魅力を引き出す技術が豊富。人と環境にやさしい技術で、馬毛や羽毛、羊毛などの魅力を存分に引き出します。
サステナビリティな社会に向けて環境基準に注目しましょう
サステナビリティな社会に向け、世界中で取り組みがなされています。購入する商品を選ぶ際は、環境に配慮した商品であるかどうかも検討してみましょう。
シェーンベルグでは、人と地球に配慮して寝具を製造しています。天然素材の長所を活かした寝具を、ぜひお試しください。