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ヨーロッパでは、高級素材としてポピュラーな馬毛。しかし、日本では、馬毛はそれほど知名度が高くありません。ここでは、馬と人間のかかわり、馬の種類、馬毛の用途などを紹介します。馬と馬毛について詳しくなると、馬毛の寝具にも興味がわいてくるはずです。
馬と人間のかかわり
馬と人間は、大昔から関係性を育んできました。馬と人間のかかわりについて紹介します。
馬の家畜化
現代では、暮らしに身近な動物というと、犬や猫を想像する人も多いかと思います。しかし、実は馬の方がずっと昔から人間と暮らしました。馬の存在がなければ、今の文明や人口分布、産業や農耕の発展は全く違うものになっていたと言われるほどです。
小佐々学氏の報告によると、馬の家畜化の歴史は、およそ6000年前までさかのぼるそうです。南ウクライナ地方から出土した後期新石器時代の馬の歯には、轡(たづなを馬に固定する口金)の跡が残っていました。日本在来馬に関しては、古墳時代から中世にかけて関東地方で生息していた痕跡が見つかりました。
ちなみに、西洋馬が日本に到来した時期は、戦国時代末期とされています。
※参考:日本在来馬と西洋馬—獣医療の進展と日欧獣医学交流史—│日獣会誌 64
馬の活躍
かのナポレオンのフランス統治も、馬という相棒がいなければ全く違う形になっていたかもしれません。日本では神事に使われていた馬でしたが、しだいに農耕や運搬など幅広い用途に活用されるようになりました。鎌倉時代には弓馬術が盛んになり、戦国時代には戦場への物資や兵士の運び手として、そして現代では競馬や乗馬目的で馬が活躍しています。
馬と人間は、信頼関係を結ぶことができます。たとえば、ジンガロをご存じですか?ジンガロとは、馬術やアクロバティックを取り入れた騎馬劇団です。ジンガロにおける馬と人間は、乗る・乗られるといった関係にとどまりません。お互いに心を通わせ、共に呼吸し躍動する様子は、「相棒」といっても差し支えないでしょう。
馬の種類
馬は、重種・中間種・軽種・ポニーの4種類にわけられます。
重種とは、大型の馬を指します。重種は伐採した木の運搬に利用され、馬肉としても重宝されます。重種馬は明治時代以降に輸入され、重作業に活躍しました。
中間種とは、軽種と重種の掛け合わせで誕生した馬です。日本の乗用馬のほとんどは中間種です。
軽種といえば、サラブレッドが有名。競馬場で活躍する馬は、ほとんどが軽種です。なお、軽種は走りに特化しているため、ケガをしやすい一面もあります。
重種・中間種・軽種と比べると、ポニーは体格が小さめです。ポニーは、体高が147cm以下の馬と定義されています。ちなみに、日本在来馬は、すべてポニーです。
※:『馬を知る』~馬好きも知らない馬のこと~│東京農業大学「食と農」の博物館 開館10周年記念誌
馬毛(ロースハー)とは
文明が発展し、徐々にその役目を失っていった馬。重作業や運搬作業は、馬から重機や自動車に取って変わりました。しかし、ヨーロッパでは、今でも馬は特別に愛される動物です。
馬や牛のたてがみや尻尾の毛(馬毛)は、ドイツ語で「ロースハー」と呼ばれます。ヨーロッパでは古くからマットレス・高級ソファーなど、さまざまな用途で馬毛が使われてきました。
馬毛の用途
馬は牛と違って運動量が格段に多い動物です。馬には余分な脂肪が少ないため、薄くやわらかな革を入手できます。特に、馬のお尻から採取される革は、「コードバン」といって、ランドセルやキーケースなどに活用されます。
このように一部の素材は利用されるとはいえ、日本ではたいていの場合、馬の皮や毛は産業廃棄物として扱われがちです。命を使い切れないと考えると、寂しい、もったいないと言わざるを得ません。一方、ヨーロッパでは、愛してやまない馬が最期を迎えたとき、体全体を余すところなく活用します。
以下では、馬毛の使い道を紹介します。
寝具
寝具には、吸湿性・放湿性が欠かせません。また、体重をゆだねる敷寝具や枕には、耐久性も求められます。
天然繊維の馬毛は、吸湿・放湿性に富んでいます。馬毛には人工的なよじれや縮れが付けられており、吸湿性・放湿性といった特性が付与されています。加えて、馬の毛には弾力性があり、敷寝具や枕には十分なサポート力があります。耐久性も良く、適切な手入れをすると半永久的に使用可能です。
1頭の馬から採れる馬毛は非常にわずかです。しかも、寝具にふさわしい機能を備えているため、馬毛は寝具業界では非常に希少な素材として扱われています。
ファッション
馬毛はカラーラインアップが豊富で、ファッショナブルな素材といえます。ホースヘアクロスとも呼ばれる馬巣織とは、縦糸にコットンやリネンを用い、横糸に馬毛を用いた織物です。もともと馬巣織は、家具用ファブリックに使われてきました。現在の馬巣織は、洋服の襟芯やバッグ、帽子など、かっちりした作りが好まれるアイテムに活用されています。
楽器
バイオリンなどの弦楽器の弓毛には、昔から馬の尻尾の毛が使われてきました。馬毛の表面はキューティクルに覆われています。松脂を塗った弓毛を弦に滑らせると、キューティクルの層と弦が擦れ合い美しい音色を奏でます。
筆
筆には、イタチやタヌキ、リスなどさまざまな獣毛が使われています。馬毛は、油彩画筆、水彩画筆、日本画筆など多目的に利用可能な素材。特に、尻尾の毛は長いため、大きな筆には必ず馬毛が用いられます。
ブラシ
靴磨きブラシや歯ブラシなどに馬毛が使われています。耐久性がありコシがある馬毛は、ブラシ向きと言えます。口に入れるとなると、ニオイが気になるのではという意見があるかもしれません。しかし実際は、丁寧に処理された馬毛からは、ほとんどニオイを感じられません。
調理道具
馬毛を使った調理道具に、裏ごし器があります。馬毛の断面はゴツゴツしており、裏ごしした素材はなめらかなペースト状になります。馬毛は耐水性に優れているため、気兼ねなく洗えて衛生的。その上、耐久性もあるため長く愛用できます。
シェーンベルグの馬毛を使った寝具
ヨーロッパでは高級素材として名を馳せる馬毛。シェーンベルグでは、日本でも馬毛の寝具を購入いただけるよう取り組んできました。
シェーンベルグの馬毛は、moosburger(モースブルガー)社の馬毛を採用しています。moosburger社では、長い馬毛に人工的なよじれや縮れを付与し、弾力性を発現させました。まずは、馬の毛を編み、蒸して乾燥させる過程でよじれや縮れを付けます。乾燥後は、編み目を手作業でほぐしていきます。時間をかけて手作業を行うことで、デリケートな馬毛によじれや縮れを付けられるという訳です。
枕やシートクッション、敷パッド・ベッドパッド、敷ふとんなど、こだわりの馬毛の寝具を、ぜひお試しください。
馬毛は寝具にぴったりの素材。馬毛の寝具で安眠しましょう
現在は、馬を労働に用いる機会はめっきり減りました。それでも、馬は、紀元前の昔から人間にとって欠かせない存在と言えます。競馬やアクロバティックショーなどを見ると、人間と馬が一心同体になって活躍する姿を見られます。
ヨーロッパでは、肉・皮・毛まで重宝される馬ですが、日本ではそれほど活用されていません。しかし、高級素材の馬毛は、寝具との相性が抜群です。
シェーンベルグでは、数々の馬毛の寝具を取り扱っています。吸湿・放湿性・耐久性が良い馬毛の寝具を、ぜひご検討ください。