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リヨセルやテンセルという表記を見たことはあるでしょうか。綿や麻、ポリエステルなどと比べると、リヨセルはどのような素材かイメージしにくいかもしれません。
ここでは、リヨセルを使った寝具が気になる人に向けて、リヨセルの基本情報やテンセル・再生繊維との関連も交えて詳しく解説します。ほかの天然植物繊維についても紹介するため、寝具選びに役立つ知識を深めましょう。
【天然植物繊維】リヨセルとは
天然植物繊維の一種リヨセルについて、原料や製法にふれつつ詳しく解説します。テンセルや再生繊維との関係も確認しましょう。
エコロジーな素材
リヨセルは、ヨーロッパで開発された軽い質感と上品な光沢をもつ素材です。また、天然素材でありながら強度が高い点もリヨセルの特徴です。
リヨセルがエコロジーである理由は、ユーカリを原料としているためです。自然由来の繊維を環境に負担をかけない方法で繊維化し、放っておくと自然に土に還るリヨセル。サステナブルを目指す社会において、リヨセルは注目すべき素材といえます。
リヨセルの製法
リヨセルは、ユーカリの木材の部分を特殊な溶剤で溶かし、再加工したものです。溶解液をフィルターに通して不純物をろ過したのちに、細いノズルを使って紡糸すると、リヨセルの完成です。
ユーカリの木材はセルロースでできているため、リヨセルの基本的な成分はコットン(綿)やリネン(麻)などと同じです。そのため、わざわざ手間のかかる紡糸方法を選ぶか不思議に思う人もいるかもしれません。
リヨセルが時間をかけて作られる理由は、長い繊維を作り糸の強度を増加させるためです。たとえば、コットンの繊維は長くても3~4cm程度であり、色の強度はそれほど強くできません。一方、溶剤に溶かして再加工したリヨセルは、コットンを著しく上回る強度を発揮します。
テンセル・再生繊維との関係
実は、リヨセルとテンセルは同じ繊維です。もともと、リヨセルはオーストリアの企業の商標として、テンセルはイギリスの企業の商標として使われてきました。現代は両社が合併し、素材の総称がリヨセル、ブランド名がテンセルというように統一されています。
再生繊維とは、植物繊維のセルロース部分を薬品に溶解し、ふたたび繊維化したものです。リヨセル以外に、レーヨンやアセテートなどの素材も再生繊維の一種です。
リヨセル以外にもある!天然植物繊維の特徴
エコロジーな天然植物繊維は、リヨセル以外にもたくさん製造されています。代表的な天然植物繊維の原料や特徴を紹介します。
モダール
モダールは、ブナの木を原料とする天然パルプから作られた再生繊維です。モダールはリヨセルのように強度が高く、吸湿性・放湿性にも優れます。一方、モダールはシルクのようななめらかな光沢や肌ざわりが好評で、リヨセルよりはやや柔らかな印象です。
マイス
マイスはコーンファイバーとも呼ばれ、コーンのでんぷんから抽出されたセルロースから作られています。マイスの繊維は広がりやすく、生地は膨らみがちです。弾力感はほかの天然植物繊維の生地と一味違います。なお、マイスは耐久性が優れているため、クッションや寝具の中綿として盛んに使用されています。
バンブー
バンブーは、竹を原料とした天然植物系繊維です。竹独自の防臭・抗菌効果は、繊維になっても発揮されます。加えて、バンブーの生地は通気性も抜群です。たくさん汗をかく夏に向けて、バンブーは積極的に取り入れたい素材といえます。
リヨセルの特徴とは?
リヨセルは、天然の成分を原料とするコットンやリネンなどと似たような特徴をもちます。再生繊維ならではの機能性にも注目しましょう。
吸湿・発散性に富む
コットン、リネンなどの天然植物繊維よりも、リヨセルは吸湿・発散性に優れます。寝具はもちろん、ユニホームなどにも加工されます。
洗っても変形しにくい
リヨセルは、洗濯後の寸法がそれほど変わりません。少々縮むことはあっても、スチームアイロンをかけるともとに戻ります。ただし、注意すべきは洗濯時の摩擦です。洗濯のコツについては、あとで詳しく解説します。
エレガントな風合い
リヨセルはドレープ性が特徴です。ドレープ性とはファッション業界でよく用いられる言葉で、裾の長いドレスなどでは特に重視されます。ドレープ性が高ければ、体の動きに追従して生地が美しく舞います。リヨセルを使った生地は薄く軽やかで、エレガントな演出が得意です。
弾力性がある
リヨセルはハリやコシ、弾力性に優れ、適度な光沢も見られます。衣服に使うと上質な雰囲気を漂わせ、落ち着いた印象を与えます。
リヨセルの注意点と対処法
リヨセルは表面の擦れに弱く、シワを作りやすい素材です。洗濯をする際には気をつけましょう。
シワになりやすい
リヨセルの生地は伸縮性がある一方で、シワに悩まされがちです。特に、リヨセル100%の生地は気をつけましょう。シワの原因の多くは、間違った洗濯やアイロンがけです。以下で洗濯や乾燥、アイロンがけのコツを紹介します。生地を丁寧に扱いましょう。
手洗いで洗濯する
ネットに入れて洗濯機にいれる手段もありますが、おすすめは手洗いです。洗濯機を使ってよいかわからない場合は、手洗いを選びましょう。
洗剤を溶かしたたっぷりの水にリヨセルの生地を入れ、押しながら洗います。水の量が少ないと生地同士が擦れあってしまうため、大きな容器を用意することをおすすめします。また、柔軟剤を使うと、リヨセルのエレガントな風合いを損ねません。
すすぎを終えたら、たたんで厚手のバスタオルなどではさみ、上から軽く押さえて水気を絞りましょう。その後、生地をネットにいれてから短めに脱水をかけます。
乾燥機は使わない
リヨセルは、乾燥機を使わないで乾かしましょう。リヨセルに限りませんが、天然素材の多くは、乾燥機をかけると縮んでしまいます。また、ほかの生地と擦れあって、生地がシワやダメージを受けてしまいます。
日陰で風通しのよう場所に干して乾かします。縮んでしまったりシワができたりした場合は、スチームアイロンをかけると寸法が復活する場合があるためやってみましょう。
毛羽立ちが目立ちやすい
リヨセルは生地表面の摩擦に弱く、フィブリル化と呼ばれる毛羽立ちを起こします。フィブリル化したリヨセルの記事は部分的に白っぽくなり、見栄えが大きく損なわれてしまいます。特に、濡れているときには毛羽立ちが起きやすくなるため、注意せねばなりません。
むやみに擦らない
リヨセルは、コットンやリネンほど摩擦への耐久性はないため、意識して丁寧に扱いましょう。特に、シミをつけたときは強くこすると被害が拡大しかねません。自己流で処理しようとせず、クリーニング店に持っていきましょう。
<Bio-Tencel>ベッドパッド
ベッドパッドは、寝心地を大きく左右するアイテムです。素材や品質にだわって選びましょう。<Bio-Tencel>ベッドパッドは、オーストリアのHEFEL社のリヨセルを使ったオーガニックなベッドパッドです。
HEFEL社はヨーロッパで有名なメーカーで、繊細なリヨセル生地を制作すると寝具業界で名をはせています。
リヨセルならではの吸湿性・放湿性に加え、洗濯機で丸洗いできる手軽さは見逃せません。快適にオールシーズン使えるリヨセルの寝具を、<Bio-Tencel>ベッドパッドで試してみましょう。
エコロジーな素材リヨセルで、オールシーズン快適に
リヨセルは、ユーカリの木材を溶液に溶かして再生させたエコロジーな素材です。コットンやリネンよりも糸の強度が高く、吸湿・放湿性にも優れます。機能性もさることながら、ドレープ性や光沢など見た目も美しい素材です。
リヨセルは表面の摩擦に弱いため、むやみな擦り洗いは避けましょう。シミがついてしまった場合は、クリーニング店にお願いしたほうが無難です。
シェーンベルグでは、リヨセルを使用した商品以外にも、ヨーロッパの素材や品質にこだわった寝具を多数取りそろえています。ぜひ、ご覧ください。